【マレーシア】ハラル認証とイスラム市場
イスラム教徒
最近、ビザの緩和によって東南アジアからの観光客を良く目にする。
東南アジアの中でもマレーシア、インドネシア、ブルネイといった国はイスラム教国として知られる。
例えばマレーシアでは、人口の6割がマレー系であり、その多くがイスラム教を信仰する。また、憲法でイスラム教が国教に定められている。
ムスリム人口は現在18億人で、全世界の人口のおよそ2割を占める。人口の伸びがかなり急速であって、今後10年で20億人を突破し、やがて全世界の4分の1を占めると予想される。
増加するムスリム観光客、そして2020年のオリンピックを控えて、国内ではムスリム市場が熱を帯びている。
ハラルとは
そんな中、ニュースでよく耳にするのがハラール認証である。
ハラールとは、イスラム法で許されたもの、合法なものを意味する。
具体的には、アルコールや豚の肉、エキス等がはいっていないことが必要である。加えて、輸送にあたっても、豚が一緒になってはいけないなど、そのルールはかなり厳しい。
そして、「イスラム法の定める適正な方法で処理、加工された食品である」ことを証明するのが、ハラル認証である。
日本でも、いくつかの企業がハラル認証を受けたというニュースを耳にする。
熊本県の「ゼンカイミート」は、ハラル認証を受けた牛肉のバーベキューで人気を集め、他にも味の素や資生堂が取得している。
認証機関は、マレーシアでは国家機関が行っていたり、日本ではいくつかのNPO法人が行っていたりと、国によって様々である。
この認定はかなり厳しいもので、また認定を受けてからも厳しい監督がなされる。
それでも、200兆円を超えるハラルマーケットは、年間2%以上の成長率を保っているため、企業はなんとしてでもこれを取り入れようと、必死である。
知り合いにお酒を飲むイスラム教徒が少なくない点が、いつもひっかかるのであるが、イスラム教徒にとってハラル製品は、第一の選択肢となっているようである。
観光で日本を訪れるイスラム教徒にとっては、ハラルに加えて礼拝所が不可欠である。昨年、千葉県のイオンに礼拝所が設置されたというニュースがあったが、今後ますますそういった対応が広がるのだろう。