【タイ】11日目 帰国日
帰国前日の夜。
僕はタイでとてもお世話になった友人がいます。帰国前の夜、彼の仕事が終わってからふたりでラマ8世橋の下に行き、話をしました。
彼は僕に、文化の壁を超えることの難しさを語ってくれました。
日本人の内向的な性格や、英語能力の低さについても。
今思うと、たしかに話していたとおりかも知れません。
僕が帰国してから1ヶ月ぐらいで、タイは大規模な洪水の被害にあい、ちょうど彼の家族がアユタヤに住んでいたことを思い出して、僕は電話をかけました。
電話に出た彼は、陽気な本人とは別人のような声で、また状況をメールするとだけ答えました。
それから僕に届いたメールは「実家が床下30cmのところまで浸水している。これ以上被害が深刻になれば、僕は両親を助けに行く」
「アユタヤへの道は冠水していて、両親のもとへ行くことができなかった」
といった、現地の状況を生々しく伝え、聞いていて僕自身もつらくなるものでした。
幸い彼の家族は無事でしたが、その被害は尋常でないと話します。
今思えば、彼は僕のことを大切な友達といってくれましたが、僕は彼になにもすることができませんでした。
翌日、彼が空港まで送ってくれて、僕たちは必ずまた会う約束をしました。
出国ゲートをくぐる直前、彼は僕に「Friend never die.」と言い残しました。
僕は、これはいい言葉だなと思いました。